レバレッジというと、FXや先物取引のような証拠金取引を思い浮かべる方が多いと思いま
すが、基本的に不動産投資におけるレバレッジ効果は、これらとは微妙に異なります。
一般的にREIT(リート)は不動産を購入するさいに、投資家から集めたお金だけではなく、
大手都市銀行などの金融機関から、資金の借り入れを行ないます。
2006年に日銀が量的緩和を実施したことで、ゼロ金利状態を一時的に脱却しましたが、
その後、サブプライムショック、リーマンショックと立て続けに金融市場を揺るがす事件
が起こったため、再び金利水準を大きく利下げしたのです。
このため、今だに
金利が低い状態にありますので、こうした低金利状態を上手く利用する
ことによって、物件を取得する過程でレバレッジ(てこ)をかけることができます。
たとえば、中央区にある年間収益が50億円で価格が1000億円のビルを購入した場合の
レバレッジ効果は以下の通りです。もし上述したビルの購入金額を全額が投資家から
集めたお金だった場合の利回りは50億÷1000億で5%です。
一方、購入金額の500億を投資家から集め、残りを金融機関から金利2%で借り入れを
おこなった場合は以下の通りです。返済金は500億×2%で10億円となり、年間収益
50億円から返済金10億円を引いた40億円が投資家の収益となります。
この結果、利回りは40億÷500億で8%になります。このように低金利状態を利用すること
により、投資家から全ての購入資金をまかなうよりも高い利回りを得ることができます。
勿論、こうしたレバレッジ効果は金利が低いときに有効な手段であって逆の場合は行う
ことができません。例えば、金利上昇にともない支払い金利が5%になったと仮定した
場合には、500億×5%で返済金は25億円になります。
年間収益50億から返済金25億を引いた残り25億円が投資家の収益となるので、利回
りは25億÷500億で5%になります。こうしたことを踏まえながら、REITへの投資の際は、
金利が変動することも十分考慮する必要があります。
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